今回の記事は自然分の魅力にいついてお話します。「陣痛はすごく痛い」という先入観は様々なSNSの情報などから得られていると思います。そう、この陣痛の「痛み」に感謝して前向きにとらえて、あなたとこれから初めて会う我が子と一緒に世界で唯一の物語を作る方法についてお話します。
「痛み」は人間に必要なのか?


人間にとって「痛み」は人類が誕生して以来、危険を知らせる警告サインであると言われている。例えば、熱湯に手を入れてそのまま熱さや痛みを感じなかったら、大やけどをして、そこから感染をして死に至ることもあります。また、大腿骨を骨折して痛みを感じなかったら、もう二度今まで通りには歩いたり、走ったり出来ないでしょう。この「痛み」の警告サインがあるおかげで自分の身を守ってくることが出来たと言われています。太古の昔から受け継がれた自己防衛なんでしょうね。
なぜ、陣痛は痛いのか?


哺乳類の中で陣痛が長いのは、人間だけと言われています。人間に近いチンパンジーと比較しても、約2倍の長さと言われています。多産で知られるウサギは、何事もなく出産すると言われています。他に犬も安産と言われており「戌の日」で知られ、安産祈願する文化がありますよね。
なぜ、人間だけこんなに陣痛が痛いのかと言えば、身体の構造に関係があるようです。動物界で唯一の二足歩行が仇となっているようです。さらに、赤ちゃんの頭の大きさや肥満なども関連しているようです。他の動物の産道はほとんど障害がなくスムーズに分娩できる構造になっています。しかし、人間の産道はS字状になっていて簡単には分娩できない構造になっています。赤ちゃんも回旋を繰り返し分娩に至ります。途中で分娩停止になることもあります。
なので、ほかの動物とは違って、分娩所要時間は長く、子宮が収縮する痛み(陣痛)、産道を通過する際の痛みなどを強く感じてしまうのでしょう。
この「痛み」の視点を変えればどうなるか?


他の動物にはない、この「痛み」のある陣痛を前向きに捉えればいいのではないでしょうか?あなた自身と、もうすぐ産まれてくる我が子だけしか体験できないスリル満点のアトラクションみたいなものと考えたらどうでしょうか?例えば、初めてひとりでジェットコースターに乗ることになりました。隣には誰もいませんが、後ろと前の座席には助産師とご主人が応援してくれています。最初の登りでは、陣痛の恐怖と不安が徐々に強まってきます。頂点へ来てそこから滑り落ちてゴールまでが出産です。ほっとした瞬間、隣の座席に元気に泣いている我が子がいたらどうでしょうか?まず、赤ちゃんにお母さんの笑顔をプレゼントできますよね。出産って楽しくないですか?そうです、陣痛は痛いのは当たり前と考えて、楽しく考えればいいのです。世界で唯一の物語を作ればいいのです。そのために、助産師は妊婦さんひとりひとり、その人が望む出産方法をかなえるためにサポートします。サポートの具体的な内容は以下の通りです。
- 新しい気付きを提供する:陣痛は痛いものであることを前提とし、陣痛と出産を楽しいことであることに気づいてもらう。
- 視点を変える:陣痛が来たら、「これからどんどん痛くなるんだ」と考えるのではなく、「やっと、我が子が出てくる準備をはじめたんだ」と感謝する。
- 考え方や行動の幅を増やす:「この子はどうやって出てくるんだろう」、「きちんとまわれるのか」、「こうやったら出てきやすいのかな」など自分で出産をコントロールしてみる。
- 目標達成に必要な行動を促進する:「ソフロロジー式」(ご存じの方も多いと思いますので詳細は割愛します)などで呼吸法を工夫したり、時には助産師のアドバイスを聞いたりしてみる。苦しい顔ではなく、笑顔で我が子を迎えるために感情をコントロールしてみる。
「感謝」が様々な恩恵を与えてくれる


感謝をすることで、身体的、精神的にも圧倒的なメリットをもたらすことが科学的に証明されています。
- 心臓病のリスク低減
- 体内の炎症を減少
- 視床下部を活発な活動状態にする
- 睡眠の改善
- うつ病発症リスクの低下
- メンタル的な落ち込みの低下
- ストレス軽減
- 心拍数の低下➡リラックス効果
- 不安・心配事に悩まされにくくなるなど
この「感謝」の様々な効果を陣痛の「痛み」に応用する手はありません。陣痛の「痛み」に感謝することで陣痛に対する「負の感情」を払拭できます。精神的な気分の落ち込み、不安、心配事は無くなり、陣痛の長さに耐えるためのモチベーションも維持できます。出産、そして我が子に会えるとういうゴールは必ずあります。「感謝」を持ち続けることによって、ネガティブに傾きやすい感情をポジティブに戻しやすくなります。さらに、より活発でEQ(心の知能指数)を高めることもできます。寛容で抑うつ的にならず、不安や孤独感も感じにくくなります。陣痛から出産まで「感謝」の気持ちを持ち続けることが、自分だけの物語を作るには最高のツールになります。
陣痛から出産まで「しなやかマインド」で実践する


陣痛の「痛み」から出産までを「感謝」をツールにして、さらに自分はできる、未来は変えられるという「しなやかマインド」を持つことも大切だと思います。陣痛をいわば習慣化として考えてしまうのです。自己肯定感を高めるわけです。やるべきことは決まっています。陣痛が来たら、この「痛み」に感謝してひとりでジェットコースターに乗ってゴールに到着したら隣の座席の元気に泣く我が子を笑顔で抱きしめることです。
ただこれだけです。そうしたら、悩む時間も無くなります。出産が楽しみではありませんか。以下にヒンズー教の教えがあります。
「心が変われば、態度が変わる
態度が変われば、行動が変わる
行動が変われば、習慣が変わる
習慣が変われば、人格が変わる
人格が変われば、運命が変わる
運命が変われば、人生が変わる」
出産したら終わりではなく、ここがスタートになる。


「母は強し」という言葉通り、これから生まれてくる我が子との最初の共同作業、試練と言ってもいいのかもしれませんが、男ではできません。やっぱり、何度も出産にたちあっていますが、元気な赤ちゃんとお母さんの笑顔をみると感動しますよね。我々の祖先も太古の昔からずっと繰り返してきたんですよね。
この出産の「痛み」はわが子をきちんと子育てするための最初の警告サインなのかもしれません。わが子と共に、これから訪れる難局に立ち向かうために「逃げない」為の警告サインではないでしょうか。母はいつまでもこの陣痛の「痛み」のエネルギーをお腹に秘めていて、いざという時に蘇らせてくれるのではないでしょうか。今後の人生にも自分を信じる、我が子を信じる力にもなっていくのではないかと思います。わが子は1歳半ぐらいまで、母親を「安全基地」として、いわゆる「愛着形成」を相互に育んでいきます。この「愛着形成」にも陣痛の「痛み」を共に乗り越えた母親の我が子の対する思いが役立つのではないかと思います。以下の記事に「愛着形成」や「愛着障害」の詳しい内容が書かれていますので御参考ください。












まとめ


自然分娩はすばらしいです。もちろん、自然分娩が産科的に危険な妊婦さんもいます。心疾患合併の妊婦さんや高血圧症合併の妊婦さんなどは、出産時にかなり循環器系にストレスがかかります。また、合併症の無い妊婦さんでも出産時にはかなり血圧が高くなりことも知られています。無痛分娩はこういったハイリスク妊婦さんには非常にメリットがあると思います。



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