【産後クライシスにならないために】妊婦さん必見!周産期メンタルヘルスケアの流れ

メンタルヘルスケア

こんにちは!川崎市立多摩病院産婦人科医です。本日は周産期メンタルヘルスケアについて、3つの質問票を活用した妊婦さんの心の支援の流れについて簡単に説明しようと思います。

 

子供を愛せない親の急増

 

現在、子供を愛せない親が急増しています。その背景には以下に挙げたことが考えられます。

子供を愛せいない親の背景
・子供に理想を求めすぎてしまう。
・養育者の交代

 

・子供に理想を求めすぎてしまう。

これでは、母親がわが子に対する守りたいという気持ちや情緒的絆を形成する『ボンディング』が育ちません。

さらに、乳児が保護を求めて泣き、しがみつき、後追いし、近づこうとする本能とやがて母親を「安全基地」としながら探索を繰り返していくことで世界を広げていくためのとても重要な機能である、『愛着行動』も育ちません。

母親はわが子を心から愛せず、わが子は母親から心からの親しみを感じなくなり、双方向の愛着形成がされなくなります。そうなると、わが子にとって母親は応答性や共感性の面で「安全基地」ではなくなってしまいます。

母親は自分が理想とする基準を子供に求めて押し付けてしまう。子供の主体性は侵害されてしまう。ということになりかねません。

・養育者の交代

離婚、再婚、親との死別などが挙げられます。

3つの質問票を活用する

妊婦さんは、妊娠中、出産そして今度は育児が待っています。非常に大変なんです。これを全部ひとりで抱えては身体的にも精神的にもボロボロになってしまいます。

そこで、妊婦さんに3つの質問票に回答して頂き、育児環境や現在の妊婦さんの精神状態などを把握することに我々、産婦人科医、助産師、精神科医、メディカルソーシャルワーカーが関わっていきます。

①育児支援チェックリスト

ここでは、育児環境が整っているかどうかを把握させていただきます。妊娠中期ごろと出産時に行います。

②エジンバラ産後うつ病質問票

妊婦さんの妊娠中、出産後の精神状態の変化を見るもので点数が高いからと言ってうつ病であると診断するものではありません。あくまでも参考となるもです。これは、妊娠中期ころ、分娩時、産後2週間ぐらい、産後1か月ぐらいを目安に行います。

③赤ちゃんへの気持ち質問票

これは、先ほども述べたボンディング障害の発見のために行います。分娩時、産後2週間ぐらい、産後1か月ぐらいを目安に行います。

産婦人科医は妊婦さんとは外来での妊婦健診、分娩のための約1週間ぐらいの期間、そして1か月健診と、関りが薄いのが現状です。助産師は産婦人科よりは妊婦さんとの関りは深いですが、それでも1か月健診を境に無くなってしまいます。

妊婦さんはそれからも育児を継続しなければなりません。核家族、共働きだと支援者が誰もおらず、妊婦さんは孤立してしまいます。

そこで周産期メンタルヘルスケアでは切れ目のない支援を行ってきたいと思います。産婦人科医、助産師にどんどん相談してください。

こちらの記事(➡【脳機能不全って何?】|妊娠前から出産後、育児での心の変化について解説します)もご参考になれば幸いです。

コロナ禍はまだまだ続きますが、妊婦の皆さん今日も頑張っていきましょう!

参考図書:岡野禎治他、精神科診断 1996;7:525-533
吉田敬子、山下洋、鈴宮寛子:産後母親と家族のメンタルヘルス. 母子保健事業団、東京、2006

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