諸外国の状況を踏まえると、妊婦さんはコロナワクチン接種をした方が良い


イギリス・スコットランドでの約9万人の妊婦さんの調査結果


イギリス
2020年12月8日以降に妊娠した8万7694人の内、2021年10月までに新型コロナウイルスワクチン接種を1回でも済ませた妊婦さんは1万8457人の約20%に過ぎませんでした。その10月に2回の新型コロナウイルスワクチン接種を済ませて出産に至った妊婦さんは、4064人中1311人の32.3%でした。
スコットランド
2021年10月31日までに、18-44歳の女性の77.4%が新型コロナウイルスワクチン接種を2回接種済みとなっていました。
しかし、スコットランドの妊婦さんの内、新型コロナウイルス感染開始から日が浅い間(28日以内)に出産した620人中14人の胎児や新生児が死亡し、それらの死亡のすべては新型コロナウイルス感染判明時にワクチンを接種していなかった妊婦さんに生じていました。
また、妊娠中に新型コロナウイルスに感染して集中治療が必要になった妊婦さんのほぼ全員98%がワクチン非接種でした。また、入院が必要になった新型コロナウイルス感染妊婦さんもほとんど(91%)がワクチン非接種でした。
アメリカ
新型コロナウイルスワクチン接種がまだ普及していない頃のアメリカの妊婦さん2万人近く(1万8,335人)が調べられ、それらワクチン非接種の妊婦さんの新型コロナウイルス感染は早産、死産、普通より小さな赤ちゃんの出産に、より陥りやすいことが関連していました。
妊婦さんも積極的にワクチン接種をしたほうが良い


現在、世界中からデータが集積し、妊婦さんの新型コロナウイルスワクチン接種の効果は妊娠していない人と概ね同様なことが示唆されています。スコットランドでの試験でも予防効果が裏付けられており、新型コロナウイルス感染妊婦さんにワクチン接種済みの妊婦さんはほとんどおらず、11%ほどです。感染の大半(77.4%)は感染発生時点でワクチン非接種の妊婦さんに生じていました。
それに、新型コロナウイルスワクチンの臨床試験参加中に図らずも妊娠した女性のデータや接種の普及で蓄積したデータで妊婦さんへの接種の安全性に心配はなさそうなことが今や判明しています。スコットランドの試験でも同様で、接種妊婦さん全般や出産前の28日以内に接種した妊婦さんの周産期死亡や早産は幸いにも増えておらず、妊婦さんと一般の方と大差ありませんでした。
参考文献
- 1)Stock SJ,et al. Nat Med. 2022 Jan 13.
- 2)COVID-19 starkly increases pregnancy complications, including stillbirths, among the unvaccinated, Scottish study shows / Science
- 3)Piekos SN, et al. Lancet Digit Health. 2022 Jan 13.
- 4)Maternal COVID-19 infection increases risks of preterm birth, low birth weight and stillbirth / Eurekalert
- 5)Hillson K, et al.. Lancet. 2021 Nov 6;398:1683-1684.
- 6)Covid-19 linked to complications during pregnancy / University of Edinburgh
まとめ


日本でも、オミクロン変異株の猛威で、感染者が急増しています。日本産科婦人科学会でも、妊婦さんへの3回目の新型コロナウイルスワクチンの優先接種の要望書を厚生労働省健康局に提出しています。以下の記事もご参照ください。











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